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つらくても場数を踏もう

050202-TochuriPresentation

もしあなたが理科の先生で、かつ、もし都道府県の生徒理科研究発表会があるならば、一度いどんでみると良いかもしれない。

指導するのは大変だが、子供たちにとっても自分にとっても貴重な経験になるし、親御さんたちも喜ぶ。

今回は、発表会当日のようすを報告する。


4ヶ月かけて調査してきた内容を発表する日がやってきた。発表する学校は全部で13校。そのうち3校に優秀賞が与えられる。熾烈な争奪戦である。

だが発表が始まる前から、我々の前には暗雲が立ちこめていた。我々と似たテーマを、他の3校もテーマとしていたのである。つまり、4校がひしめく激戦区に我々は立たされていた。

朝7時に集合し、電車に乗って会場へ。着いてみると会場は広く立派だった。座席は横1列で20人くらい座ることができる。天井も3階ほどの高さ。ただし、作られてから長い年月を経ているらしく、壁は黄ばんでいた。まるで古めかしい映画館のような場所だった。


上の画像は、発表のようすである。真ん中やや右に、演台が見えるだろうか。基本的に2人1組で、1人がパソコンを操作しながら、もう1人が説明している。無理もないことだが、大舞台での発表を前にして子供たちは緊張していた。

そして発表開始。発表当初、プロジェクターがうまく表示されないというトラブルが起き、私は演台に走った。1分ほどで問題に対処し、発表を再開する。その後は、他の学校よりもわかりやすい発表を行うことができたと思う。ただし緊張のためか、プロジェクターの操作が一部、説明とかみ合っていなかった。

その後の質疑応答で我々も2人が、演台に上って回答した。だが、やはり緊張していたのだろう、自分の学校名をいうのを忘れていた。

そして優秀賞の発表。我々の誰もが

「ひょっとしたらいけるかも」

と思っていた。だが残念なことに、我々は選ばれなかった。落胆する子供たち。つらい瞬間だった。だが考え直してみれば、たった4ヶ月で優秀賞をねらえるところまで我々は来ることができたのだ。これはこれで、素晴らしいことかもしれない。


閉会式が終わり、帰路につく一行。だが、メンバーの挙動がおかしい。叫んだり、意味不明なことを口にしたり、目つきもおかしい。誰もが、行き場のない怒りのような感情を抱えているようだった。

しかたないので会場に来ていた親御さんと相談し、ファミレスで1時間ほどすごして興奮を冷ますことにした。乾杯のときに私が話したのは、今回の結果は

「これで満足するなという、神さまからの厳しいメッセージ」

というもの。なんか宗教っぽくて自分でもイマイチだったのだが、とっさにはこれしか思いつかなかった。1時間ほど過ごし(何人かの子供たちはドリンクバーを無茶苦茶に混ぜて飲んでいたが、特に注意はしなかった)、そのあと電車で帰り、我々は解散した。


親御たちさんのことについて、最後に触れておこう。当日は親御さんたちが何人も来てくださった。発表後に少し相談して、1週間後の日曜日に、発表を録画したビデオの上映会を学校で開くことにした。親御さんたちにとっても、この発表会は大切なイベントだったようだ。みなさんから、感謝の言葉をいただいた。

教員になってまだ1年足らずだが、こんなに親御さんの表情が見えたことは一度もなかった。そんな親御さんたちが、この取り組みを支持してくれたことがわかって、嬉しかった。

つらくても場数を踏もう・・・生徒も、教員も。必ずそれは報われる。