読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Feel Physics:わかりやすい物理学習アプリ

スマホのセンサーやHoloLensを使った物理学習アプリを作っています

生徒「楽しい!」おすすめのICT物理教材「PhET」運動編まとめ

f:id:weed_7777:20170125142853p:plain

「先輩、物理の電磁気って、目に見えない概念が多くて教えにくいです」

「ちょうど良い教材があるんだ。PhET(フェット)というんだけどね、たくさんの物理などのインタラクティブなデジタル教材なんだよ」

「先輩、それって学習アプリをインストールしなければならないんじゃないですか?あの申請って面倒くさいんですよね」

「大丈夫。全部Webコンテンツだから、ブラウザで使うことができるよ」

「先輩、それは日本語で使えるんですか?」

「ほとんどの教材は日本語に訳されているよ」

「先輩、それは良さそうですね」

「だろう?」

「ちなみに先輩、それはiPadでも使えるんですか?」

「コンテンツの1/4くらいはHTML5アプリだから、部分的に使えるね」

「HTML5アプリって何ですか?」

「ブラウザだけで動くインタラクティブなコンテンツのことだよ」

「もっと増えるといいですね」

「そうだね」

私は10年間の教員経験があります。また、このPhET教材を使って生徒に学習させた経験があります。その生徒たちからは

「とても良い。わかりやすいし、面白い」

という反響を得ることができました。これを紹介したいと思います。

なお、PhETの教材は学習前後に生徒に問いかけを行うと効果的です。この問いかけも、

  • 海外の先生が作ったものや
  • 私が作ったもの

をご紹介します。

PhETとは

PhETは、コロラド大学が整備を進めているEdTech教材です。全て無料で使うことができ、Web上の教材であるため専用のアプリをインストールする必要もありません

オリジナルの教材は英語ですが、ボランティアの方々によって各国語に翻訳されています。日本語については高知工科大学の石本美智先生 が翻訳して下さっています。

すべて、見るだけのビデオのような教材ではなく、インタラクティブ性の高い教材です。どの教材も様々なことを試すことができるようになっています。全体的にクオリティ・コントロールが行われているようで、質の高い教材ばかりです。

また、教材の他に教師向けコンテンツがたくさんアップロードされています。仮説実験授業のような、教材と併用する問いかけのスライドや、教材学習後の確認プリントなどがあります。こちらはほとんどが英語ですが…

なお、Google Classroomに対応しています。導入校は生徒一人一人の学習を管理することができます。

さらに詳しい情報は、以下のリンクをご参照下さい:

PhETとは(リンク集)

phet.colorado.edu

PhET は、物理教育研究に基づいて開発された物理現象の楽しいインタラクティブ・シミュレーションを無料で提供しています。私たちは、物理教育研究のこれまでの研究結果と独自の試験調査を組み合わせることにより、学習者が、現実に起きる現象とその原因を説明する科学を結びつけることができると確信しています。そして、この結びつけは、現実の世界の理解と認識をより深いものにすると考えています。

ウィキペディア:PhET

プロジェクトの頭字語である「PhET」はもともと「物理教育技術」の立場だったが、PhETはすぐに他の分野にも拡大した。 現在、 物理 、 化学 、 生物学 、 地球科学 、 数学の 分野での教育的使用のための125以上の無料インタラクティブシミュレーションを設計、開発、リリースしています。 このシミュレーションは、 スペイン語 、 中国語 、 ドイツ語 、 アラビア 語など、65種類以上の言語に翻訳されています。 2011年にはPhETのウェブサイトに2500万人以上の訪問者が訪れました。

凡例

各教材に以下のような説明を付けました。ぜひ活用して下さい。

項目 内容
ねらい 対象の単元です
実施 ここをクリックすると教材を実施します
種類 Flash、Java、HTML5があります。HTML5のものはiPhone・iPad等のスマホ・タブレットでも利用可能です。
生徒に教える基本的な使い方 教材を操作するために、まず生徒に説明しておくべきことをまとめました。
遊び要素 いくつかの教材にはユーモアの要素があります。それを説明します。
こんなこともできる 1つの教材にいろんな内容が詰め込まれていますので、解説します。
教材後に出す質問 教材学習後に必ず質問を出すようにすると、生徒はがんばって理解しようとします。その例です。

モードについて

なお、以下の教材にはモードがあり、古い教材では左上でモードを切り替えることができます。新しい教材では真下にアイコンが並んでおり、そこをダブルクリックすることでモードを切り替えることができます。

運動

放物運動(Projectile Motion)

f:id:weed_7777:20170125142853p:plain

ねらい

  • いろんな角度を試すことで45°がいちばん遠くまで届くことを確かめる

種類

Flash

実施

生徒に教える基本的な使い方

  • 虫眼鏡で全体の縮尺を伸ばしたり縮めたりできる
  • 大砲を上下左右に動かすことができる
  • 黄色い円の付いた四角は巻き尺で、長さを測ることができる

遊び要素

  • を左右に動かすことができる。発車した物体が的に当たると「命中」と表示される。
  • サウンドをオンにすると発射音が出る
  • 打ち出す物体の種類を選ぶことができる。ピアノ人間、自動車など。
  • 落下地点に大砲なら砲弾が刺さり、車なら車が分解する

こんなこともできる

  • 空気抵抗がオフの場合、打ち出す物体の種類を変えても、初速度が一定のため同じ軌跡を描く
  • 空気抵抗をオンにすると軌跡が低くなる
  • 空気抵抗をオンにすると打ち出す物体によって軌跡が変わる

教材後に出す質問

  • 同じ初速度で発射する場合、どの角度がいちばん遠くまで飛ぶか。

疑問点

  • 抵抗係数と飛距離の関係がよく分からない

移動する人

モード

導入編モード

f:id:weed_7777:20170125161332p:plain

グラフ表示モード

f:id:weed_7777:20170125161346p:plain

ねらい

  • 加速度のイメージをつかむ

種類

Java

実施

生徒に教える基本的な使い方

導入編モード

  • 運動開始時の位置・速度・加速度をスライダーで設定することができる
  • 画面下端にある再生ボタンを押すと、運動が開始する
  • このとき自動的に録画モードになっている
  • 再生ボタンをもう一度押して一時停止にして、録画した運動を再生することができる
  • Clearボタンを押すと録画した運動は消去される
  • 位置・速度・加速度をすべてリセットするには右下の「すべてをリセットします」をクリックする

グラフ表示モード

  • 運動開始時の位置・速度・加速度をスライダーで設定することができる。数値も入力することができる
  • 加速度のスケールはだいぶ大きいので注意が必要。現実には電車の加速度が0.3、自動車が1、飛行機が3くらい。
  • 位置・速度・加速度それぞれについて、ベクトルを表示できる
  • 右端の虫眼鏡でそれぞれのグラフの縦軸のスケールを変えることができる。プラスは拡大し、マイナスは縮小する。
  • 横軸の拡大縮小も右下の虫眼鏡でできる

    遊び要素

  • 左右のブロック塀にぶつかると派手な衝突音が出る

こんなこともできる

  • 右向きに正の初速度と負の加速度を与え、Uターン型の等加速度運動を見せることができる

教材後に出す質問

  • 等速直線運動のときの位置・速度・加速度のグラフはどのようなものですか。
  • 等加速度直線運動のときの位置・速度・加速度のグラフはどのようなものですか。

おわりに

高校物理の実験は準備が大変で時間もかかります。しかし教室で座学だけでは生徒は授業がつまらないと感じてしまいます。そんなときに便利なのが、PhETを使ったPCとプロジェクターによる生徒参加型のシミュレーション実験です。ぜひ活用して下さい。

PhETはよくできています。どの教材も、いろいろなことを試すことができるようになっています。ただし、教材を生徒に触らせるだけだと「面白かった」で終わってしまいます。事前事後の問いかけが理解させるのに重要だと思います。ぜひうまく使ってみて下さい。

他の分野

作成中です。

補足:リンク集

授業におけるICT活用ガイドブック 〜理科編〜

f:id:weed_7777:20170319095511j:plain

理科ネットワークの教材を利用した授業案が20個ほどあります。理科ネットワークは使えなくなりましたが、県の物理部会は教材を保有していたりするので、それを使って教えることができます。

佐賀県教育センター>ICT利活用教育研究>授業展開案>物理

f:id:weed_7777:20170319100236j:plain

パワーポイントを使った授業案が3つあります。スライドが1枚1枚載っているので、参考になります。

phys-edu.net

4000円する物理基礎のデジタル教科書の紹介です。高価ですが便利そうです。

インタラクティブ教材がたくさん入っています。手でいろいろな設定が変えられてiPad上で実験ができるというものです。これがとことん面白い!!